●コーポレートセント　＝　企業イメージを象徴する香り(匂い)

コーポレート・セント（Corporate Scent）とは、「企業を象徴する香り（匂い）」を意味し、Signature Scentとも言います。

日本では未だ馴染みのない言葉ですが、欧米ではかなりポピュラーになりつつあるイメージ戦略の一つで、商店が、ホテルが、そして一般企業が自社を象徴する独自の香り(匂い)を選定し、店内やロビー、待合室などで、印象に残る心地よい香り(匂い)をさりげなく流しています。

好きなお店やホテルを訪れた時、或いは初めて訪れた企業の受付で、心地よい香り(匂い)がさりげなく漂っていたらどう思いますか？それまで張り詰めていた気持ちがホッと和むだけでなく、そのお店の、或いはそのホテルのお客様に対する素敵な心配りに感銘を受けるのではないでしょうか？ また、その香り(匂い)をどこかでふと嗅いだ時、その香り(匂い)から瞬時にその香り(匂い)を流していたお店やホテルを思い出すのではないでしょうか？

コーポレートセント　＝　嗅覚を応用した巧妙なイメージ戦略

コーポレート・セント（CS）とは、単なる香り(匂い)の演出ではなく、

五感の中で最も脳の記憶（辺縁系）を刺激する嗅覚を用いた巧妙なイメージ戦略なのです。

ホテルのロビーに足を一歩踏み入れた時、カビとほこりが入り混じったような一種独特の嫌な匂いを感じた経験はありませんか？

世界的なホテルチェーン"スターウッズ"グループに属するWestin Hotelは「White Tea」の香り(匂い)を、 そしてSheraton Hotelは「Open Sky」という名称のブレンドした花の香り(匂い)をこのCS戦略に基づいてロビーで常時流しております。

２０年以上前CI（Corporate Identity）がアメリカから日本に入ってきた時、CIと言う言葉が非常にもて囃され、企業が先を争ってロゴを新たに作り直した時期がありましたが、今ではすっかりCIも定着し、誰も殊更にCIなどと言わなくなりました。同様に、いずれ日本でもこのCS（Corporate Scent）戦略が当たり前になる時代が来るものと確信しています。